30年後の未来で起きている戦争に勝つため、駆り出されるのは現代を生きる一般人。まともな訓練も受けていないのに、いきなり’’戦争に行ってもらいます’’って理不尽すぎない…!?誰かのために、命懸けで戦う人々の姿を描いたSFアクション映画『トゥモロー・ウォー』をネタバレありで解説します!
映画『トゥモロー・ウォー』の作品情報
原題 | The Tomorrow War |
公開 | 2021年 |
上映時間 | 140分 |
監督 | クリス・マッケイ |
脚本 | ザック・ディーン |
キャスト | キャスト:クリス・プラット/イヴォンヌ・ストラホフスキー/ ベティ・ギルピン/エドウィン・ホッジ/J・K・シモンズ |
劇場公開予定の作品でしたが、新型コロナウイルスの拡大によりAmazonプライムビデオでの独占配信となりました。
映画『トゥモロー・ウォー』のあらすじ
2020年、世界中が注目するサッカーの試合中、突然ピッチ中央に青白い何かが発生。その向こうから重火器を装備した軍勢が現れ、リーダーと思われる女性が世界へ向けてこう言い放ちました。
「私たちは30年後の’’あなたたち’’だ」
2051年からやってきたという彼女たちは、人類は30年後に未知の生物との戦争になり、やがて敗北するという衝撃の事実を告げてきます。人類が生き残る唯一の方法は「現代の一般人」を「未来の兵士」として送り込み、共に戦うことだと言うのです。
7割が生きて帰ってこられないとされるこの戦争。愛する人のため。未来の地球を救うため。ごく普通の一般人たちが今、立ち上がります。
映画『トゥモロー・ウォー』のストーリーをネタバレ解説!
※ここから先は物語のネタバレが含まれます。まだ見ていない方は注意してくださいね!
序章「強制的な徴兵」
サッカースタジアムに、30年後の未来の兵士たちが現れてから1年後。アメリカ政府は宇宙生物「ホワイトスパイク」との戦いに参加するために、未来の兵士と共に転送装置を作り出しました。
最初に未来に送られたのは現代の兵士たち。しかし、多くの死傷者を出してしまい兵が足りず、徴兵は一般人にも及ぶことになります。
軍に強制招集された高校教師のダン(クリス・プラット)は、7日間の未来での兵役を命じられ、腕に追跡放置と転送装置を兼ねた「転送パッド」を装着されました。身辺整理に許された時間は24時間。戦争に行った一般人の生存率はわずか3割。
そんな危険な状況を知った妻のエミー(ベティ・ギルピン)に懇願されたダンは、転送パッドを外してもらおうと疎遠になっている父・ジェームズ(J・K・シモンズ)を頼ります。
ジェームズは、ベトナム戦争から帰還後、家族を捨てた反体制派の人間。今も尚、妻や息子を捨てた行為を正当化するジェームズとダンの間にできた溝は修復できるはずもなく、転送パッドを外してもらうことなく喧嘩別れしてしまいました。
兵役はわずか7日。ダンは愛する妻や娘・ミューリの未来を守るため、出兵を決意します。
基地に集められた一般人は、戦闘経験の無い40代以上がほとんど。そこで知り合った科学者のチャーリーは、’’存在の矛盾’’を解決するために、「30年後には既に亡くなっている人間」が兵士として送られているのではないかと推理します。
逆に、未来から現代に来ている兵士たちの多くが若者であり、これもまた同じ時間軸に同一人物が2人存在してはいけないという’’存在の矛盾’’を解決するためなのだろうと考えていました。
時間が無いため戦闘訓練はほとんど行われず、突然の警報によって未来に送られることになったダンたち。彼らが送られた2051年の世界には、怪物のような「ホワイトスパイク」と、惨殺された兵士たちの姿がありました。ダンたちの任務は、ホワイトスパイクを倒すための「研究データとアンプルの持ち帰り」です。
早速研究ビルに向かいますが、あっという間にホワイトスパイクに包囲され、非常階段での激しい戦いが始まります。複数の兵士が亡くなりますが、ダンと同じチームのドリアンは過去にもこの戦争に参加していて、ホワイトスパイクの弱点を知り、戦闘に手馴れていました。
そんなドリアンに助けられ、何とかビルから脱出するダンでしたがその場には多くのホワイトスパイクが集まっていました。状況を打破できないと考えた作戦本部のフォレスター大佐(イヴォンヌ・ストラホフスキー)は、爆撃を要請。ダンたちに避難命令を出しますが、ケガをした兵士を助けようとしたダンは逃げ遅れてしまいます。彼が目を覚ましたのは、軍のキャンプのベッドの上でした。
中章「愛する娘の未来の姿」
キャンプでフォレスター大佐と対面したダンは、彼女が自分の娘であるミューリの未来の姿であることを知ります。
大佐としてだけではなく、研究者としてもホワイトスパイクの研究を進めるミューリは、ホワイトスパイクのオスに対する毒を完成させていましたが、繁殖力のあるメスに対しては効果がなく、研究に必要なデータを得るためにメスの捕獲を急いでいました。
メスの捕獲作戦に向かうダンとミューリたち。ダンの無謀な作戦により、なんとか捕獲は成功しますが危険を顧みない行動をするダンに憤りの表情を見せるミューリ。未来のダンは、妻のエミーとミューリを捨て交通事故で亡くなっていたのです。
しかし、ミューリはダンを恨んでいるのではなく、ただそばにいて欲しかったのだと話しました。研究施設に戻り、メスのホワイトスパイクに効く毒を作るため分析を始めるミューリ。ダンの任期はあと1日。なにか出来ないのかと模索するダンは、ミューリが未来にダンを呼んだ理由を知ります。
それは、ミューリが作った毒を過去に持ち帰り、ホワイトスパイクがやってくる前までに毒を大量生産することでした。その計画ではダンが生きる過去は救うことが出来ても、ミューリが生きる未来を救うことはできません。計画を了承できないダンでしたが、ミューリは誰もがしり込みしてしまう計画を’’父’’に託したかったのです。
ダンは過去での毒物の生成が終わり次第、未来に戻ってくることを約束します。計画を遂行しようとしたその時、捕獲されたメスを助けようと大量のホワイトスパイクが作戦本部に集まってきていました。
過去と未来を繋ぐ唯一の手段である「転送装置」までもが破壊されそうになり、兵士たちは未来にいる過去の人間を、全員返すために装置を起動します。ダンはミューリを見捨て過去に戻ることを拒否していましたが、ミューリがホワイトスパイクの攻撃により致命傷を負っていることを知り、計画を成功させるため過去へと戻るのでした。
終章「愛する人たちとの再会」
過去に戻ったダンは、ミューリから預かった毒物を中佐に渡し、大量生産して未来に行くことを提案しますが、既に未来の転送装置は破壊されていて、二度と未来に行くことは出来ませんでした。未来のミューリを救えなかったダンは、妻のエミーと再会してもショックを感じ続けます。
しかし、現代を生きる幼いミューリの姿を見て、何とかしたいと娘の未来を守る方法を模索するのでした。
2048年にロシアに飛来したとされるホワイトスパイクでしたが、宇宙船や飛来した痕跡すら未来の研究者は見つけられませんでした。それより前から地球に潜んでいたのではないかという仮説を立てたダンとエミーは、共に戦ったドリアンの元を訪れます。
彼の協力により、ホワイトスパイクは遥か昔から地球にいて、地底から現れたことを知ったダンたちは、ロシアの氷河の底にまだ目覚める前のホワイトスパイクがいると予測します。ロシアに向かうために頼ったのは、パイロットだった過去を持つ父・ジェームズです。
予測通り、ロシアの氷河の底で宇宙船を発見したダンたちは、まだ目覚める前のホワイトスパイクに毒を打っていきますが、危険を察知して目覚めてしまった個体に襲われてしまいます。
仲間の兵士たちが命がけでホワイトスパイクと戦いますが、メスの1匹だけを取り逃してしまいました。ダンとジェームズは崖淵で逃げたメスのホワイトスパイクを捕獲。2人で協力して毒を打ち、最後のホワイトスパイクを駆除しました。
世界を救ったダンは、家に戻りこれまでミューリに会わせることのなかった祖父のジェームズを紹介し、未来のミューリとの思い出を胸に秘めながら、今を生きる’’愛する家族’’を守り続けることを誓うのでした。
映画『トゥモロー・ウォー』の口コミ
ちょうどいい怪物の頻度、デザイン。
映像はとんでもなくキレイ。映画中の「なんで?」にしっかり答えてくれるし、回収の仕方も素敵。
Filmarks 暇人さんのレビュー
普通なら終わると思った所で
まだ終わらない!!!
まだ、まだ終わらない!
結構すき!
Filmarks うっしー777さんのレビュー
B級なんて言わせない!家族愛を描いたSFアクション映画『トゥモロー・ウォー』
SF・アクションの要素だけでなく、家族愛をも描いた『トゥモロー・ウォー』は、家族みんなで楽しめる作品です。
・既視感がある
・なんでもありじゃん…
なんて厳しい評価もありますが、私は大好きです。愛する人を守るクリス・プラットに感動して、ちょっと涙が出ました。
全体としての評価も高く、続編の噂についても制作陣は「アイディアがある」と語っていますので、今後の動きにも期待した作品です。ハラハラドキドキしながら鑑賞してみてくださいね!