カンノーロはイタリアのシチリア島発祥の伝統的なペストリー。「小さな筒」という意味を持つカンノーロは、小麦粉などで作った生地を円筒に巻きつけて揚げ、中にクリームを詰めたお菓子です。
今回は、日本でも人気になってきているカンノーロについて、食べ方やルーツ、お取り寄せ情報などをご紹介します!
マフィア映画にも出てくるくらいイタリアでは定番のスイーツなんだよね!
でもこれどうやって食べるんだ?
イタリアの伝統菓子カンノーロとは?
現在ではイタリア全土で食べられるようになりましたが、元々はシチリア島で謝肉祭の時に食べられていた伝統的なお菓子。
カンノーロは英語で言うところの複数形であり、単数だと「カンノーリ」と呼ばれています。
アメリカなどでも人気があるペストリー菓子で、欧米のイタリアレストランのメニューには、デザートにカンノーロが必ず載っている程なんだそう。サクサクした生地と、たっぷりのクリームがたまらなく美味しいんだそうですよ。
ちなみに伝統的なカンノーロは、生地の中にリコッタチーズをメインとした甘いクリームを詰めます。
現在ではリコッタチーズだけではなく、チョコレートや生クリームなど、中に入れるクリームやトッピングのバリエーションも豊富です。
カンノーロの歴史
カンノーロの歴史は古く、古代ローマ時代まで遡ります。一説によるとイタリアのシチリア島にカンノーロを広めたのは、古代ローマの「キケロ」という政治家だったとのこと。
当時の伝記に、キケロがシチリア島に滞在していた頃、「粉上の筒の中に甘いミルクを入れたものを口にした」との記載があるようです。
それをシチリア全島へ伝えまわったことから、カンノーロがシチリア島の名物ペストリー菓子となった、といわれています。
謝肉祭を祝うお菓子だった
元々、2000年以上も昔に考案されていたカンノーロ。本来は一年中食べられるお菓子ではなく、カトリックのお祭りである「謝肉祭」を祝うための季節菓子でした。
現在では様々なクリームやトッピングを施したカンノーロがイタリア全土で見られますが、伝統的なシチリア島のカンノーロはパイのようなサクサクの生地にリコッタチーズとバニラ、チョコレート、ローズウォーター、ピスタチオ、マルサラ酒(シチリア島のワイン)などを混ぜたクリームを詰めます。
カンノーロが謝肉祭のための季節菓子で、リコッタチーズをクリームのメインに使っているのも、冬場は羊乳の脂肪分が豊富でコクと旨味が出るからという理由だとか。謝肉祭は四句節の前(2月中旬)に行われるカーニバル。
ちょうど、冬の寒さが厳しく、羊乳が美味しくなる時期でもあるんですね。
なお、菓子職人によってはカンノーロの両端(クリームの部分)に果実の砂糖漬けやナッツをトッピングするアレンジなども見られます。
有名映画にも小道具として登場していた!
カンノーロが一躍日本で有名になったのは、有名なマフィア映画「ゴッドファーザー」です。この映画の第一作目と第三作目の名シーンで、カンノーロは重要な小道具として登場しています。
一作目は忠臣の部下が裏切り者を殺害した後に、アドリブで「銃は置いていけ、カンノーリを持ってきてくれ」というシーン。セリフが役者のアドリブだったこともあり、このカットは映画の中で名シーン・名セリフとして語り継がれています。
まさに「イタリアのマフィアも虜になるほど美味しいカンノーロ」と言ったところでしょうか。
カンローノの作り方
細長い筒のようなパイ状の生地に、クリームたっぷりのカンノーロ。その作り方は独特です。
生地は小麦粉に砂糖と卵、ラード、マルサラ酒を混ぜたもの。それを金属の棒に巻き付けラードでカリッと揚げます。
中に詰めるクリームは、伝統的なシチリア島のものであれば、リコッタチーズをベースにローズウォーター、バニラ、チョコレートとマルサラ酒、その他の風味付けのスパイスを混ぜて作ります。
見た目はコロネのようなカリッと揚げたパイ状の生地に、リコッタチーズのクリームを詰めて、上から粉糖をかければ伝統的なカンノーロの完成です。サクサクした生地の食感と、コクのあるクリームが絶品とのこと。
リコッタチーズを使うことで後味がさっぱりしているのも、人気の秘密です。
カンノーロの食べ方
さて、円筒の両側からクリームがはみ出しているカンノーロですが、上手に美味しく食べるにはどうすれば良いのでしょうか?
単純に考えて、端っこからかじりつくと反対側からクリームが流れ出てきそうな気がしますよね。
カンノーロは真ん中の生地部分を手で持って、片方のクリームが見えている部分から食べるのが最もスマートです。
その時に反対側からクリームが流れ出そうになる場合は、紙ナプキンなどで抑えながら食べると美しいでしょう。
レストランなどお店では、ナイフとフォークを使って食べるのがおすすめ!生地がパリッとしているので、綺麗にナイフが入りやすく、上手くカンノーロをカットできるはず。
カットしたカンノーロはフォークで上品にお口へ運びましょう。
ぜひコーヒーやエスプレッソ添えてみてください。
カンノーロは、真ん中の生地部分を手で持って片方のクリームが見えている部分から食べると食べやすい!
本場ではエスプレッソと合わせて
リコッタチーズで比較的さっぱりはしていますが、カンノーロはクリームたっぷりの甘いお菓子。そのため、本場ではエスプレッソと合わせて食べることが多いそう。
イタリアと言えば、あの小さなカップで飲む苦みの強いエスプレッソの本場ですよね。甘いカンノーロと苦いエスプレッソを同時に味わうのは、映画のようにマフィアですら虜になるほどなんだとか。
なお、カリッと揚げた生地はクリームを入れるとその瞬間から水分を吸い込み柔らかくなっていきます。カンノーロはできるだけ食べる直前にクリームを入れてもらったほうが美味しいですよ!
専門店では生地だけ先に揚げて、注文してからクリームを詰めてくれるところもあるようです。イタリアでは「カンノーロ・エスプレッソ」という注文の仕方があるほど定番のようですね。
日本で食べるなら、コーヒーや紅茶はもちろん、渋く淹れた緑茶なども合いそうですね。全般的にイタリアのお菓子は甘味が強いですが、カンノーロも同じです。日本人の舌にはやや甘く感じるかもしれません。少し渋めに淹れた緑茶は、相性抜群でしょう。
アレンジ自在のカンノーロ
現在イタリア全土で食べられるようになったカンノーロは、お店ごとに多彩なアレンジが加わっています。見た目もフォトジェニックで、お店にずらりと並んだカンノーロを眺めるととても美しいと評判です。
伝統的なカンノーロでは中に詰めるクリームはリコッタチーズを使いますが、このクリームは地域やお店ごとに異なります。ある地方ではカスタードクリームを使い、別の場所ではリコッタチーズ以外のチーズクリームを詰めたりするようです。
カンノーロの生地部分にアレンジを加えたり、円筒状の生地の内側をチョコレートでコーティングするお店もあるようですね。これは生地がクリームの水分を吸収して、ふやけないようにという工夫とのこと。現在では多種多様なカンノーロが食べられるようですよ!
絶品!お取り寄せできるおすすめカンローノ!
サクサクでクリームたっぷりで、映画にも取り上げられるほど美味しいと噂のカンノーロ、食べてみたくありませんか?とは言っても、近くにカンノーロを直売しているお店を見つけるのは大変ですよね。
大手通販サイトを覗いてみても、カンノーロは生菓子なので、季節によって取り扱っていない場合があります。どうしても食べたいという方は「シチリアーモ」という通販サイトを利用してみてください!
シチリアーモでは、カンノーロの生地とクリームを別々に分けたキットが販売されているんですよ。できたてのカンノーロを食べたい人にはもってこいの通販サイトですね。
SICILIAMO(シチリアーモ)
大阪堺市にあるシチリアの伝統菓子専門店。こちらのホームページで通販できるのが「おうちでカンノーロ♬キット」です。
生地とクリームがセパレートになったタイプのカンノーロキットで、食べる直前にクリームを入れて作りたてのカンノーロを自宅で味わえるんです!
クリームは4種類の中から1種類を選べます。
- シチリア産リコッタチーズ
- リコッタピスタチオ
- リコッタカカオ
- シチリア産レモンカスタードクリーム
お好みのクリームで、カンノーロを堪能してくださいね!
ちょっとだけ自分で作る必要があるけど、手軽にお取り寄せできるのは魅力的…(いかん、よだれが)
見た目も美しいカンノーロはタイミングを逃さず食べたい絶品スイーツ!
いかがでしたか?今回は、イタリア全土で愛されている郷土菓子カンノーロをご紹介しました。
現地で食べられているカンノーロはシンプルなものからトッピングが施されたものまで、バリエーション豊か。日本ではまだ余り目にする機会は少ないものの、ファンは多いようですよ!
この機会にイタリアの素敵なスイーツ、カンノーロを味わってみてはいかがでしょうか。