一大ブームになったマリトッツォにも似ているスイーツ、セムラをご存知でしょうか?
セムラは、丸くてシュークリームのようにクリームたっぷりの菓子パンですが、日本国内ではあまり浸透していないスイーツなのでイメージできない方も多いでしょう。
そこで今回は、セムラについてご紹介します!
セムラ…って?
日本ではまだ馴染みが浅いけど、スウェーデン人なら誰もが好きな食べ物なんだよ!気になるセムラを調べてみましょう!
まるでシュークリーム!?丸くてクリームたっぷりのセムラとは?
セムラはスウェーデン発祥の伝統的な菓子パンです。
現在もスウェーデンの他、ノルウェーやフィンランド、デンマーク、アイスランドなど主に北欧で様々な形で食べられています。
その見た目は日本でブームになった「マリトッツォ」に少し似ています。丸いブリオッシュのようなパン生地に、たっぷり生クリームとアーモンドペーストが入っています。
マリトッツォでなければ、クリームたっぷりのシュークリームとも表現できます。
上からも粉砂糖を振りかけられた甘いセムラは、コーヒーや紅茶などと一緒に食べることが多いんだそう。そのまま食べることが多いようですが、現地ではホットミルクに浸して食べる人もいるんだとか。
お国柄が出るセムラ
スウェーデンではブリオッシュ生地に生クリームとアーモンドペーストを挟みますが、国が違えば挿むものも違うようです。
フィンランドのセムラは、アーモンドペーストを使う代わりにイチゴやラズベリーなど甘酸っぱいベリー系のジャムを挟むことが多いんだとか。フィンランドのベーカリーでは、アーモンドペースト入りと、ジャム入り、2パターンのセムラが販売されています。
デンマークで販売されているセムラは、シュー生地が使われており、生クリームとジャムが挟まっています。さらに上からアイシングをしているのが特徴。
デンマークの一般家庭でもセムラは作られ、その時にはイースト生地にフルーツの砂糖漬けを混ぜてオーブンで普通のパンのように焼き上げることが多いそうです。
アイスランドでセムラとは、シューやイースト生地は使わず、ペイストリーが使われるとか。
国が違えばセムラの形も様々。中でも、やはり発祥の地スウェーデンのブリオッシュ生地に生クリームとアーモンドペーストというセムラが、最も由緒正しい伝統的な作り方のものなのでしょうね。
北欧では「春を告げるもの」
北欧で食べられているセムラは、「春を告げる食べ物」と呼ばれています。その理由は、春先に食べるからなんですね。
とはいえ、セムラを食べるのは2月の中旬。現代で考えるとまだまだ春は先なのですが、スウェーデンの人々にとってセムラが登場すると、もう春は目の前。
お店にセムラが並び始めると、「今年はどこのお店のセムラを食べる?」という会話で持ちきりなるのだそうですよ。
「マリトッツォ」とはどこが違う?
セムラを実際に見たことがない人でも、すぐにイメージできるのが「マリトッツォ」ではないでしょうか。マリトッツォは日本で一大ブームを起こしたイタリアのスイーツです。
バターたっぷりのデニッシュ生地に、はみ出さんばかりの生クリームを挟んだボリューミーなスイーツ。コンビニスイーツとしても登場して、話題を呼びましたよね。
セムラは、そんなマリトッツォに見た目が非常に似ています。しかし、食べてみると似て非なる食べ物!ということが分かってきますよ。
セムラとマリトッツォは見た目は非常に似ていますが、作られている材料が違います。まずパンですが、マリトッツォに使われているのはバターたっぷりのデニッシュ生地。
一方でセムラは、デニッシュ生地に似ていますが、デニッシュ生地よりバターの配合が控えめです。さらに生地にカルダモンというスパイスを混ぜ込んでいるので、ややスパイシーな味わいが特徴です。
セムラは比較的あっさり目の生地に、スパイスが効いているのがポイントなんですね。
次に中のクリームですが、マリトッツォは生クリームのみが入っています。セムラには、生クリームとアーモンドペーストが使われています。
確かにどちらもボリューミーな菓子パンであることは間違いありませんが、セムラはスパイシーでアーモンド風味が漂う菓子パンという点で、マリトッツォとは全く違う食べ物と言えるでしょう。
セムラはいつ食べる?
セムラは本場スウェーデンでも、通年販売しているものではありません。「春を告げるもの」というように、春先にしか登場しない伝統的な菓子パンです。
実はセムラは、食べる時期が決まっている菓子パン。昔は、イースター前の最後の火曜日のデザートとして食べられていたんだそう。
イースターとはキリストの復活をお祝いするお祭りです。当時、イースターから数えて45日前から人々は断食する習慣がありました。
その断食に入る直前に、ご馳走を食べて良いという風習があったんですね。カロリーが高いセラムは、断食前のご褒美として食べられていた歴史を持っています。
現在は断食こそしませんが、スウェーデンではイースター前の45日間にセラムを食べる習慣が根付いています。
ちなみに、その期間にスウェーデン人が食べるセラムの数は、4〜5個ともいわれているんですよ。
自宅でセムラを手作り!通販で買えるセムラの材料をご紹介!
ブリオッシュ風のパン生地に、たっぷりの生クリームとアーモンドペースト。セラムの味をイメージできたでしょうか。
スウェーデン人が期間中に4、5個も食べてしまうというセラムを、できれば日本にいながらでも食べてみたいですよね。
しかし残念なことにセラムを扱っている日本のベーカリーは少なく、またお取り寄せ商品としても通販サイトで扱われていません。(2022年5月22日現在)
「どうしてもセラムが食べたい!」というそこのあなた。
セラムの味に限りなく近づける、セラム作りに必要な材料を通販サイトで見つけました!是非材料を揃えて、セラムを手作りしてみてくださいね!
なかなか日本で見かけないセラム、材料が揃ったら作れそうだね!
カルダモンとアーモンドペーストが入っている分、思ったよりもあっさりした甘さだという口コミもあるよ!
甘くてスパイシーなセムラを食べて春を一足先に満喫しよう!
甘くて、スパイシーなスウェーデンの伝統菓子、セラム。「春を告げる」と呼ばれるように、食べると幸せな気分に浸れそうな菓子パンですね。
日本ではベーカリー・カフェともに、まだ扱っているところが少ないので、今後に期待したいところ。
一体どんな味なんだろう?と想像しながら手作りするのも楽しいかもしれませんね!