MCU作品『ドクターストレンジ2』をネタバレ解説

SNS上でも賛否がかなり分かれているドクターストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス。

さすが、ハリウッドの奇才サム・ライミ監督。これってホラー映画だったっけ…？と思ってしまうほど、これまでのMCU作品とは異なるテイストでめちゃくちゃ攻めた内容に！

今回は、話題のMARVEL最新作『ドクターストレンジ2』のキャラクターやストーリーをネタバレありで徹底解説していきます！

『ドクターストレンジ2』基本情報

タイトル	ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
監督	サム・ライミ (『スパイダーマン』シリーズ)
製作	ケヴィン・ファイギ
上映時間	126分
日本公開日	2022/05/04

『ドクターストレンジ2』あらすじ

元天才外科医であり、アベンジャーズ最強の魔術師ドクター・ストレンジ。

時間と空間を変幻自在に操る彼の魔術の中でも、最も危険とされる禁断の呪文によってマルチバースと呼ばれる謎に満ちた狂気の扉が開かれます。その先に広がっていたのは、無限の可能性が存在するいくつものパラレルワールド。

何もかもが変わりつつある世界を元に戻すため、ストレンジはかつてアベンジャーズを脅かすほど強大な力を見せたスカーレット・ウィッチことワンダに助けを求めます。

しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない新たな脅威が人類に迫っていました。ストレンジの前に立ちはだかる最強の魔術を操る敵。それは、邪悪な姿をしたもう一人の自分だったのです。

『スパイダーマン：ノー・ウェイ・ホーム』のその後を舞台に、マーベル史上最も予測不能で壮大な物語が幕を開けます。

『ドクターストレンジ2』を観る前に！

『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』を見る前に、絶対に見ておいてほしい作品があります。それは、Disney＋で配信中のオリジナルドラマ『ワンダヴィジョン』です。

本作でのワンダの目的は、ドラマ『ワンダヴィジョン』の結末から繋がっているんです。

ドラマでワンダは、ある街を巻き込んでヘックスと呼ばれる現実とは違う世界を作り出し、そこで今は亡き夫のヴィジョンと、双子の息子トミーとビリーの4人で幸せに暮らしていました。

最終的に、彼女はそれが現実世界では無いことを認め、魔力で作りだした現実には存在しないヴィジョンと息子たちを手放すのですが、ワンダはその街で、魔女アガサ・ハークネスから禁断の書「ダークホールド」を奪っていました。

この「ダークホールド」に記された禁断の魔術こそが、本作で重要な鍵を握っています。

ドクターストレンジ2を見る前に、ドラマ『ワンダヴィジョン』をおさらいしておくと、ワンダが何を願っているのか、それを叶えるためにどんな方法を使おうとしているのかがわかるので、彼女の運命をより深く知ることが出来るでしょう！

そしてその、ワンダの行動や結末が、今作の物語のラストにも大きく関係してきます。

『ドクターストレンジ2』キャラクター

ドクター・ストレンジ

キャスト	ベネディクト・カンバーバッチ
吹き替え	三上哲

最強の魔術師。インフィニティ・ウォー、エンドゲームなど数々の戦いで活躍し、スパイダーマン：ノー・ウェー・ホームでは、スパイダーマンことピーター・パーカーを助けるためにマルチバースに繋がるとある出来事を引き起こす。本作ではマルチバースに触れてしまったことで、大きな災いを引き寄せてしまいます。

スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフ

キャスト	エリザベス・オルセン
吹き替え	行成とあ

強力なテレキネシス能力を持ち、現実を改変させる力で大勢を巻き込むとある事件を引き起こした張本人。ドラマ『ワンダヴィジョン』では、その事件の後に禁断の書「ダークホールド」を手に入れます。彼女の目的とは…？

アメリカ・チャベス

キャスト	ソーチー・ゴメス
吹き替え	鬼頭明里

本作でMCU（マーベル・シネマティック・ユニバース）デビューを果たしたキャラ。マルチバースを行き来できる、特殊な能力を持つが、その力を制御できずにいます。

何者かにその力を狙われており、逃げ込んだ世界で一つ目の化け物に襲われているところをストレンジに助け出され、行動を共にすることに…。

クリスティーン・パーマー

キャスト	レイチェル・マクアダムス
吹き替え	松下奈緒

ストレンジの元恋人。頑固なストレンジの良き理解者です。

ウォン

キャスト	ベネディクト・ウォン
吹き替え	田中美央

ストレンジの兄弟子であり、至高の魔術師であるソーサラー・スプリーム。ストレンジの相棒とも言える存在で、無謀な行動をするストレンジに振り回されつつも、手助けしてくれます。

『ドクター・ストレンジ2』のストーリーをネタバレ解説！

※ここから先は、物語のネタバレが含まれます。まだ見ていない方は注意してくださいね！

序章「謎の少女 アメリカ・チャベス」

ポニーテール姿のドクター・ストレンジと、彼と共に怪物から逃げる少女アメリカ・チャベス。2人は「ヴィシャンティの書」を探していました。

しかし、書を手に入れる寸前で怪物に捕まってしまいます。怪物の狙いはアメリカ・チャベスの力でした。

逃げ場の無くなったストレンジは、アメリカの力を自分のものにしようと彼女の力を吸い取り始めます。その時、怪物の触手がストレンジを貫き、ストレンジは絶命。それと同時にアメリカの力が発動し、彼女は別の時空へと吸い込まれて行ったのです。

そして目を覚ますドクター・ストレンジ。彼が見ていたのは夢？それとも…。

ストレンジが向かったのは教会。そこでは、元恋人のクリスティーンの結婚式が行われていました。もちろん、相手はストレンジではない別の人。魔術師として生きる道を選んだストレンジの目には涙が浮かんでいました。

そんな悲しみの最中に現れたのは、夢で見たあの少女と謎の怪物です。

ストレンジは現れたウォンと共に怪物と戦い、見事に勝利。そして、夢で見た少女アメリカ・チャベスに事情を聞きました。

アメリカ・チャベスには、マルチバースを行き来する能力があるということ。しかし、そのパワーは自分で制御することができず、恐怖によって勝手に発動するということ。その力を狙い、敵が襲ってくるため別宇宙のストレンジとともに行動していたアメリカでしたが、結果的にディフェンダー・ストレンジは命を失ってしまったこと。

アメリカ・チャベスとともにこの世界に辿り着いた別世界の自分の亡骸を見たストレンジは、これまで見ていた夢は実は夢ではなく、別世界の現実だったと受け止めるのでした。

そしてストレンジは、アメリカ・チャベスを守るために、かつてアベンジャーズで共に戦ったワンダを頼ります。

中章「スカーレット・ウィッチ」

ワンダが隠居していたりんご園を訪れたストレンジ。しかし、そこにいたのはワンダではなく「ダークホールド」を手に入れ、心が闇に堕ちてしまったスカーレット・ウィッチでした。

スカーレット・ウィッチに覚醒してしまったワンダこそが真の敵であり、怪物を呼び寄せてアメリカを襲わせていたのもワンダの仕業だったのです。何故そんなことをするのか問うストレンジに、ワンダは「ただ、子供たちと暮らしたいの」と答えます。

ワンダの目的は、『ワンダヴィジョン』で作りだした偽物の家族ではなく、マルチバースに存在する本物の自分の子供たちと幸せに暮らすことでした。そして、子供たちを手に入れて守るためなら、どんな犠牲も厭わないと言うのです。

完全にヴィランとなってしまったワンダは、魔術師たちの心を操り、容赦なく粉々にしていきます。そんなワンダに手も足も出ないストレンジたち。

アメリカのパワーを奪われる寸前まで追い詰められますが、アメリカの恐怖心によって扉が開き、ストレンジとアメリカは別の宇宙に飛ばされてしまいました。

終章「彼女が望んだ世界」

マルチバースに流され、様々な世界を漂流したストレンジとアメリカがたどり着いたのがアース838。この世界では、アベンジャーズではなく「イルミナティ」というスーパーヒーローの組織が世界を守っていました。

イルミナティのメンバー
キャプテン・カーター（ペギー・カーター）
マスター・モルド
ブラックボルト（インヒューマンズ）
キャプテン・マーベル（モニカ・ランボー）
ミスター・ファンタスティック（ファンタスティック・フォー）
プロフェッサーX（Xメンシリーズ）
ドクター・ストレンジ（アース838では死亡している）

イルミナティに危険人物として拘束されたストレンジとアメリカでしたが、そこに再び力を増大させたワンダがやってきます。

ゾンビのような姿になったワンダから必死に逃げるストレンジたちでしたが、ついにアメリカはワンダに捕らえられ、ストレンジとクリスティーンは別の宇宙に飛ばされてしまいました。

ストレンジとクリスティーンが飛ばされた世界にいたのは、3つの目を持つ「シニスター・ストレンジ」。彼は、ダークホールドを使った結果、完全に闇に堕ちてしまった悪のストレンジです。

2人は音楽を魔術として戦い、最終的にドクター・ストレンジが勝利。ストレンジは「ダークホールド」を手に入れました。彼はこの禁断の書を使って、ワンダからアメリカを取り戻すために戦うことを決意します。

そこで彼が使ったのが、冒頭で出てきたディフェンダー・ストレンジの遺体でした。ストレンジはダークホールドを使い、他の宇宙に存在する自分に入り込む「ドリームウォーク」で、元の世界にたどり着きます。

ワンダとの最後の戦い。元の世界に戻るために死者の肉体を使ったストレンジですが、それは魔術界では’’禁忌’’とされていました。

禁忌を犯した自分を、地獄に引きずり込もうとする悪霊をも味方にしてしまうストレンジ。ゾンビのような姿でワンダと戦います。

ワンダの力は強大で、ストレンジ1人では勝ち目がありませんでしたが、アメリカが自身の力を解放したことで、ワンダを「彼女が望む世界」に飛ばすことに成功。

そこは、ワンダが望み続けていた子供たちと幸せに暮らす世界でした。子供たちを見て嬉しそうな表情をするワンダでしたが、子供たちはワンダを見ると「魔女が来た！」と恐れて逃げ回ります。

こんなはずじゃない。スカーレット・ウィッチは自分の望む姿ではない。

そう気づいたワンダは、全ての元凶となった「ダークホールド」を全宇宙のマルチバースから破壊し、同時に自分自身を消滅させる道を選びました。

アメリカを助け出したストレンジは、別の宇宙で生きるクリスティーンに正直な気持ちを伝え、自分の中の’’恐怖’’と向き合う決意をします。

元の世界に戻ったストレンジは、「この人生に感謝している」と話し、新しい道を歩み出すのでした。

ポストクレジット「クレアの登場」

街を歩くストレンジの後ろから、彼を呼ぶ声が。その声の主はシャーリーズ・セロン演じるクレアでした。

クレアは原作コミックではストレンジの相棒として描かれていて、恋人同士となる設定です。しかも、ドクター・ストレンジ一作目で戦ったドルマムゥの姪にあたるキャラクターです。

クレアは現れるやいなや「インカージョンを修復しないと…怖くなった？」とストレンジに伝え、空間に亀裂を生じさせます。

ストレンジはダークホールドを使った副作用から発言した第3の目を開眼させ、「まったく」と答えるとクレアと共に亀裂の中へと姿を消します。

『ドクターストレンジ3』では、クレアやインカージョンについてのこと、第3の目が開眼したストレンジのことなど、このエンドクレジットによって出てきた新たな謎が解き明かされることでしょう。

『ドクターストレンジ2』口コミ

ちょいちょい出てくる懐かしホラー演出がほっこりする。ワンダ相変わらずこじらせまくってるなぁ。
マルチバースを横断するシーンすごく良かったし、違う宇宙に行ったときはちょっとワクワクするけど、何でもありすぎるからそろそろ禁止にしてくれ…

引用：Filmarks Atsushiさんのレビュー

全体的な感想として、サム・ライミがディズニーをボッコボコにしてオーバーキルしたくらい、サム・ライミ感強い。
それは別に悪いことじゃないと思うけどね。
ストーリーはまじで思ってたのと全く違う。
ただやっぱり、映像がすんんんんごい！ほんとすごい！

引用：Filmarks Lilyさんのレビュー

『ドクターストレンジ2』の関連作品は「Disney＋」で！

Disney＋では前作『ドクターストレンジ』や、オリジナルドラマ『ワンダヴィジョン』など多くのマーベル作品を観ることができます。2022年6月現在、ついにアイアンマン１やトム・ホランド版スパイダーマンの配信も開始したので、ほとんどのMCU作品を観ることができますよ！

なんとドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスも鑑賞可能！公開からわずか一ヶ月半ほどで配信されています！

『ドクターストレンジ2』は超ダークな世界観のホラー映画！？

できるだけ詳しく紹介しましたが、『ドクターストレンジ2』の魅力はまだまだあります！

ハリウッドの奇才サム・ライミが監督を務めているだけあって、MARVEL作品と言うよりも、サム・ライミ色がかなり強かったように思います。背筋がゾクッとするようなホラーな描写もあるので、苦手な方は注意してくださいね！

賛否両論ある口コミに惑わされずに、1度自分の目で見て確かめてみるのがいいかもしれません！サム・ライミ監督の映画ではお馴染みのあの人も登場していますよ！