漫画『親愛なる僕へ殺意をこめて』1～5巻のネタバレ解説＆考察【相関図あり】

『親愛なる僕へ殺意をこめて』は、連続殺人鬼・LLを父親に持つ主人公・浦島エイジが猟奇的殺人事件に巻き込まれるサスペンス漫画。

冒頭では、15年前のLL事件を彷彿とさせる畑中葉子殺人事件が発生。エイジには畑中葉子が失踪・殺害された期間の記憶がありません。

もう一つの人格・B一が葉子を殺した可能性があると思ったエイジは、危険を冒して事件の真相を追います。

前編ラストでは、エイジが予想さえしていなかった意外な犯人がエイジを限界まで追い詰めることに！

この記事では『親愛なる僕へ殺意をこめて』1〜5巻（1話から37話）の登場人物、ネタバレ、重要ポイントについてまとめています。

『親愛なる僕へ殺意をこめて』の登場人物

まずは、『親愛なる僕へ殺意をこめて』の主な登場人物をご紹介します。

それぞれの関係性は、上の相関図を参照してください。

浦島エイジ

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

実父・八野衣真が連続拷問殺人犯LLであるせいで、辛い幼少期を過ごした大学生。

“人生は楽しんだモン勝ち”がモットーの、細かいことにはこだわらない主義。

B一（八野衣エイジ）

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』11巻より

浦島エイジのもう一つの人格。

畑中葉子と付き合っていたらしい。

八野衣真

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』10巻より

浦島エイジとB一の父親。

14歳の時に、集団暴行の末に人を殺したことがある。

LL事件当時、売春クラブ「ホワイトラビット」を経営していたが、5人の売春婦の拷問殺人犯・LLとして警察に追われて、焼身自殺した。

雪村京花

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

浦島エイジの恋人。

エイジが殺人犯LLの息子だと知っても拒絶することなく、愛し続けてくれる天使のような子。

真明寺麗

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

謎の女子大生で、エイジが二重人格であることに気付いた唯一の人物。

エイジのサポートをするスーパーウーマンで、どんな鍵も開けてしまうスキルを持つ。

情報収集能力も高く、警察がつかんでいない情報ですらも簡単に得てしまうほど。

畑中葉子

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

ハングレ集団『SKAKLL』に弱みを握られて、売春婦として働かされていた女子大生。

B一と接点があったらしいが、何者かに拷問された末に殺害された。

浦島亀一

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

浦島エイジの義父。

LLこと八野衣真（早乙女太一）の保護司で、両親を失ったエイジを引き取った人物。

浦島珠代

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

浦島エイジの義母。

誰よりもエイジの身を案じている。

浦島乙

浦島エイジの義姉。

幼少期から引きこもっている。

桃井薫

©︎伊藤翔太・井龍一 『親愛なる僕へ殺意をこめて』1巻より

15年前のLL事件を担当した敏腕女性刑事。

LL事件に何か関りがある様子。

畑中葉子の事件が、かつてのLLの犯行と似ていることから特別な想いを抱き捜査に執着する。

猿渡敬三

警視庁の管理官で、桃井の上司。

桃井と一緒に15年前のLL事件を担当した。

『親愛なる僕へ殺意をこめて』1～5巻（1話~37話）のストーリーをネタバレ

『親愛なる僕へ殺意をこめて』1〜5巻（1話~37話）のストーリーをネタバレ解説します。

猟奇的殺人鬼・LLの息子が、自分のもう一つの人格が殺人を犯した可能性を知り、恋人を守るために畑中葉子殺人事件の真相に迫っていきます。

ここから先はネタバレが含まれます！

連続拷問殺人犯・LLの息子

浦島エイジは、15年前に5人の売春婦を拷問して殺したLLこと八野衣真の実子。

警察に追い詰められた八野衣真は、自らに火を放って焼身自殺します。

その後、母親も自殺で亡くした幼いエイジは、真の保護司だった浦島亀一の養子となり平和な日常を過ごしていました。

突然できた彼女【10月27日】

LLの息子であることがバレるたびにイジメられてきたエイジですが、恋人・雪村京花といる時だけは心が安らぎました。

京花はエイジがLＬの息子だと知っても、変わらぬ愛を注いでくれました。

ただ一点気になるのが、エイジが京花と付き合うことになった経緯を全く覚えていないこと。

エイジには10月24〜26日の記憶がありません。

27日の朝起きたら、話したこともない京花が隣で寝ていたのです。

畑中葉子殺人事件【11月1日】

売春婦・畑中葉子が15年前のLＬの手口とそっくりな拷問をされた揚げ句に殺され、11月1日に遺体で発見されました。

一方、またしても10月30〜11月2日の記憶がないエイジは、同じ大学に通う真明寺麗から「二重人格ではないか？」と指摘されます。

アパートの自室で「3,000万円の札束」と「血まみれの金属バット」を見つけたエイジは、もう一つの人格・B一が相当危険な男であることを確信。

警察がエイジのところに来て「畑中葉子はお前の彼女だったんだろう」と聞いてきますが、エイジは葉子のことを全く知りません。

その後、エイジは葉子のものと思われる片耳を自分の部屋で発見。

「Ｂ一が葉子を殺したのかもしれない」と思ったエイジは、京花を危険な目に遭わせたいために別れを告げ、単独で真犯人を探すことを決意します。

半グレ集団『SKALL』のリーダー・佐井社と接触

エイジは、B一の知り合いである半グレ集団『SKALL』のリーダー・佐井社と接触。

殺された畑中葉子は『SKALL』の下で売春をしていました。

最近『SKALL』の金が2人組の男に盗まれる事件が発生。佐井は、畑中葉子が金のありかを恋人である犯人にバラしたと見ていました。

エイジは家にあった3,000万円と血だらけのバットから、B一が葉子の恋人で、強盗2人組の一人だと確信します。

生きている葉子が最後に会ったのは白菱正人

エイジは畑中葉子が最後に会った人物・白菱正人に会います。

白菱は「私たちが犯人なことがバレたのか？」と慌てたが、葉子を殺した犯人ではありませんでした。

白菱は葉子の客で、B一と一緒に『SKALL』の金を奪っただけでした。

実は白菱はLLの5人目の被害者・白菱凛の父親で、娘の復讐のためにLLと関係がありそうな『SKALL』を探っていたところ、B一と意気投合して一緒に6,000万円を盗んだのです。

エイジと京花が『SKALL』のリーダー・佐井に拉致される

エイジが『SKALL』の顧客データを盗んだことを知った佐井は、エイジと京香を拉致。

エイジを拷問して殺そうとするが、エイジが腕の傷口に仕込んだGPSで現在位置を特定されて警察に捕まりました。

しかし佐井のアジトからは、佐井が畑中葉子を殺した証拠は見つかりませんでした。

京花とB一は知り合い？

エイジが京花に自分が二重人格であることを告げると、京花は「（エイジが記憶を失っている間に）私がB一くんと話してみる」と言いました。

しかし、京花はろくにB一と話ができず、B一から「俺に干渉するな」と言われたとのこと。

京花は「私が好きなのは今目の前にいるエイジくん」とエイジを選びました。

また京花と付き合えて幸せなエイジだが、こんなに色々なことがあったのに京花が自分を選んだことがどうしても腑に落ちません。

そんな中、B一がNクリニックという心療内科に通っていたことが判明。

しかも患者によると、京花も一緒にいたというのです。まさか京花はB一と裏で結託していたのでしょうか？

京花の過去

京花は今の両親の養女でした

京花に対する疑念が抑えられないエイジは、彼女が幼少期を過ごした施設に話を聞きに行きます。

当時を知る園長の話は以下の通り。

• 5歳の京花は、公園でホームレスをしているところを保護された。
• 実の両親から虐待を受けていたらしく、失語状態だった。
• ネコの死骸を触るなど、京花には恐ろしいところがあった。

京花の深い闇を知ったエイジは、京花に会いに行きます。

京花に「たとえどんな過去があっても、君を受け止めたい」と話すと、京花は涙を流して喜び、エイジを自分の生家である白菱家（今は誰も住んでいない）へ連れて行きました。

以下、京花による驚愕のカミングアウト。

• 幼少期の京花は実母に押し入れに入れられて育ち、姉・凛だけが可愛がられた。
• まるで家畜のように扱われて「死」も考えたが、ある日LLが救ってくれた。
• LLが、売春をしていた姉・凛を殺してくれたのだ。
• 凛だけが生きがいだった母親は自殺し、主体性のない父親だけが残り、京花は家を飛び出して施設に保護された。

京花にとってLLは命の恩人で、尊敬する人物…らしい。

京香の告白

いきなり押し入れから白菱正人の死体が出てきて、凍り付くエイジ。

実は京花と白菱は実の親子で、京花の命令で白菱は葉子に近づいたのでした。（娘の凛の復讐とか大ウソ）

京花は白菱に畑中葉子にありとあらゆる拷問をするように命令し、主体性のない白菱は言う通りにしました。

そして罪の意識に耐え切れなくなった白菱は、自殺したのでした。

エイジはこんな殺人の告白は信じられませんでしたが、京花が畑中葉子の右耳を持ってきて愕然とします。

エイジに畑中葉子の左耳を送ってきたのは、京花だったのです！

京香をどう救ったらいいのか当惑するエイジは、一緒に警察に行こうと京花を説得。

すると京花は突然エイジを抱きしめ、「今からエイジくんを殺すね」と告げるのでした…。

『親愛なる僕へ殺意をこめて』1～5巻（1話〜37話）の重要ポイントまとめ

今回のネタバレで出てきた重要ポイントや覚えておきたいポイントについて解説します。

15年前のLL事件の全容

LL事件とは、殺人鬼・LL（本名・八野衣真）が5人の売春婦をなぐる・引き裂く・えぐる・刺す・燃やす・すりつぶす・ねじ切るなどあらゆる拷問の末に殺害した事件。

LL事件の被害者5人は以下の通りで、全員が真が経営していた売春クラブ「ホワイトラビット」で働いていました。

• 第一の被害者・倉持ミク（18）
• 第二の被害者・安部マコ（21）
• 第三の被害者・石上ミナコ（19）
• 第四の被害者・相模アキナ（20）
• 第五の被害者・白菱凛（19）

警察に追い詰められた八野衣は、最後は小屋に火を放って焼身自殺しました。

しかしこれで事件は終わらず、八野衣が自殺する直前にサイトに書き込んだメッセージ「また殺す　LL」が今でも世間を震撼させています。

エイジのことを助けてくれる真明寺麗の存在

エイジが『SKALL』に潜入調査する際に、相棒となるのが真明寺麗。

真明寺麗はLLの息子に興味を持つ人物で、勘が鋭くピッキングなどのスキルにも長けています。

また、B一の存在を認知している数少ない理解者であり、エイジにとっての良き理解者です。

エイジにとって頼りがいのある相棒となりますが、その存在には秘密が多いです。

今後、彼女がどのように物語に絡んでくるのか、行動や発言から考察しながら読んでみてください。

畑中葉子殺人事件の全容を時系列でまとめ

畑中葉子殺人事件の全容は以下の通りです。

10月16日

畑中葉子がホテルで白菱とB一に会う

葉子が地下駐車場で佐井に拉致される

葉子が佐井から逃げて白菱の車に乗るが、後部座席の京花にスタンガンで気絶させられる

10月19日

葉子が白菱に拷問される

10月24日

葉子が京花に殺害される

11月1日

葉子の遺体が発見される

京花が畑中葉子を殺した理由は、エイジのため。

売春婦である畑中葉子が、エイジにちょっかいを出したのが許せなかったのです。

また復讐しか頭にないＢ一の目を覚まさせて、LＬの息子という現実を思い知らせるためでもありました。

京花は最終的にはすべての罪を白菱正人になすりつけるつもりでしたが、都合よく自殺してくれて手間が省けました。

B一の目的

白菱正人によると、B一が『SKALL』に近づいたのは畑中葉子を『SKALL』から解放するためだったとのこと。

そしてNクリニックの医師の話では、B一はエイジと離別するために「解離性同一症」の治療を望んでいたとのこと。

しかし、上記のどちらも真意は不明です。

果たして、彼の目的とは？

白菱正人は京花の実の父親

白菱正人は15年前のLL事件の最後の被害者・白菱凛の父親。

娘の復讐のために、LLと関わりがあると思われる『SKALL』に近づきました。

畑中葉子と会っていたのも、『SKALL』を調査するため…と思いきや、実は雪村京花の命令で動いていたのでした。

白菱は京花の実父で、15年前に妻が京花に振るっていた虐待を見て見ぬふりしていた代償として、京香の命令で畑中葉子を拷問したのです。

京花の「今からエイジくんを殺すね」発言

この言葉の真意と結末は、物語後半で明かされます。

まとめ

今回は『親愛なる僕へ殺意をこめて』1〜5巻（1話から37話）のストーリーをネタバレ解説しました。

まさか畑中葉子を殺した犯人が京花とは、本当に驚きました。

まるでモンスターのように恐ろしい京花の、「今からエイジくんを殺すね」の意味とは？

エイジも拷問されるのでしょうか？

この続きは以下の記事で解説・考察しているので、ぜひ併せて読んでみてください。