『親愛なる僕へ殺意をこめて』は、連続殺人鬼の父親を持つ主人公・浦島エイジが猟奇的殺人事件に巻き込まれるサスペンス漫画。
前編のネタバレ記事では、畑中葉子殺人事件の犯人が雪村京花であることが判明。
中編では、ナイフを持ったB一の側に、血まみれの京花が倒れているという怒涛の展開などがあり、物語はいよいよ佳境に入ります!
また、この記事のラストでは、京花を襲った意外過ぎる犯人が判明します。
それでは今回は、『親愛なる僕へ殺意をこめて』5〜9巻(38話から79話)のネタバレ、重要ポイントについて解説していきます!
ジャンル | 青年漫画、サスペンス |
作者 | 原作:井龍一・漫画:伊藤翔太 |
漫画雑誌 | 講談社ヤングマガジン刊 |
コミックスの総巻数 | 11巻 |
『親愛なる僕へ殺意をこめて』とは、原作:井龍一・漫画:伊藤翔太によるコミックスで、全11巻。
殺人事件があった数日間の記憶がない主人公が、自分が二重人格であることを知り、恋人を守るために事件の真相を追う物語です。
2022年10月から山田涼介さん主演(浦島エイジ・B一役)でフジテレビ系列でドラマ化されてています。
ちなみに、エイジの恋人・雪村京花役は門脇麦さん、エイジの義父・浦島亀一役は遠藤憲一さんです。
『親愛なる僕へ殺意をこめて』5~9巻(38話から79話)までのストーリーをネタバレ
『親愛なる僕へ殺意をこめて』5〜9話(38話から79話)】をネタバレします。
B一が京花を刺した?【現在】
11月18日に桃井薫刑事が白菱家の生家に乗り込むと、メッタ刺しにされて血まみれの京花が倒れており、そばにナイフを持ったB一がいました。
京花は入院し、B一は逮捕されて留置場に入れられることに。
B一は相変わらずエイジのフリをしていましたが、面会に来た真明寺麗にB一であることを見破られます。
B一は京花を殺した犯人ではありませんでした。
(エイジから人格交代して)目が覚めたらナイフを持っていたのです。
エイジはB一が生み出した人格だった【現在】
京花が刺された日から、エイジは出てきません。ずっとB一のままです。
実はエイジは主人格ではなく、B一が生み出した人格で、B一こそが主人格だったのです。
真明寺麗は、その驚愕の事実に愕然とします!
真明寺麗の過去【過去】
今までエイジの右腕として、畑中葉子を殺した犯人を追ってきた真明寺麗。
実は麗は、LL事件の5番目の被害者・白菱凛の知り合いでした。
15年前のある日、幼い麗がいつものように廃墟ビルに行くと、喉に穴を開けられた女性が椅子に縛られていました。
麗は必死で逃げ、後に縛られていた女性が白菱凛だと知ります。
麗は白菱凛への贖罪の気持ちからLL事件を調べており、エイジに協力していたのでした。
B一が復讐を決意した理由【過去:15年前】
話は遡って、幼少期のB一。
B一は、父親である真のことが大好きでした。
しかし、B一の誕生会の日、LL事件の犯人として指名手配された真は山小屋で焼身自殺しました。
そして母親も、その後を追って自殺。
その後B一は、真が用意していた誕生日プレゼントのグローブを発見。
そこには「明日から練習しよう。男と男の約束だ」というメモがありました。
真は今まで約束を破ったことがなく、B一は真が濡れ衣を着せられたのだと確信します。
B一は自身のすべての人生を真犯人への復讐に捧げることを決意し、エイジはその隠れ蓑として生まれたのでした。
昼間は復讐など考えていないエイジが活動し、B一は夜に真犯人の手掛かりを探していました。
B一はエイジの行動の一部始終を監視カメラに収めることで、完璧にエイジを演じます。
そのため、誰も復讐の鬼・B一がエイジの中に存在することに気が付かなかったのです。
B一が見つけた唯一の手掛かり【過去】
B一は、八野衣真が経営していた売春クラブ「ホワイトラビット」の顧客リストを、父親の右腕だった花坂が持ち去ったことを突き止めます。
しかし、花坂は12年前から行方不明。
B一は花坂の遺品から、花坂が『SKALL』メンバーと一緒に映っている写真を見つけます。
花坂と『SKALL』がつながり、B一の復讐にまた一歩近づくかと思いきや、B一が調べることができたのは、ここまででした。
B一と畑中葉子【過去:9月23日~】
新たな情報を探るため、『SKALL』に近づく手段を探していたB一が出会ったのが、畑中葉子でした。
葉子は『SKALL』に弱みを握られて売春させられており、無気力な日々を送っていました。
B一は「俺がSKALLから救い出してやる」と葉子に持ち掛け、葉子に『SKALL』の内情を探るように命令。
もちろん目的は葉子を救うことなんかじゃなく、『SKALL』が八野衣真が経営していた「ホワイトラビット」の顧客リストを持っているのか調べるためでした。
B一にベタ惚れの葉子は、B一の言う通りに動きます。
しかし結局、『SKALL』は顧客リストなんか持っていなかったのです。
B一と白菱正人【過去:10月半ば~】
そんな中、葉子に白菱正人という太客がつきました。
白菱はLLの5番目の被害者・白菱凛の父親で、八野衣真=LLが仕切っていた売春組織のリストを追っていました。
B一は同じ目的を持つ白菱と手を組むことにします。
葉子はB一がLLの息子で自分を利用していたいことを知りますが、「私を利用して、エイちゃん」と笑顔で言いました。
その後、葉子は失踪しましたが、B一は葉子が佐井社に拉致されたことを知っていたのに連絡すら取りませんでした。
B一と雪村京花【過去:10月24日~】
10月24日、葉子失踪のニュースを見てイライラしていたB一は、雪村京花に言い寄っている大学一の不良・名脇を殴りました。
その日の夜、B一は意を決して葉子に電話をかけますが、葉子のスマホを見ているのは京花。
京花は自分より葉子を選んだB一にがっかりし、一週間拷問した葉子にトドメを刺しました。
何も知らないB一は、Nメンタルクリニックで京花と再会。
自身が二重人格であることを京花に知られ、京花と付き合うことにします。
B一は京花を信用したわけではなく、エイジの監視役を命じました。
自分の部屋で葉子の片耳を見つけたB一は、白菱家へ行って「お前が葉子を殺したのか」と白菱を問い詰めます。
しかし、その瞬間後ろから京花に薬を打たれ気絶。
次に目覚めた時には、メッタ刺しにされた京香の隣にいたのです。
B一が脱走【現在】
京花を刺した容疑者として、留置されていたB一が脱走しました。
京花が「LLにやられた」と言っていたのを思い出すB一。
なんと真犯人のLLは、京花を殺してその罪をエイジ(B一)になすり付けるつもりだったのです!
B一は京花の病室に監視カメラを取り付け、再びLLが京花を襲うのを待ちます。
京花はLLの顔を見ているのだから、LLが必ず口封じに来るはず!と推測したのでした。
B一VS警察【現在】
真明寺麗とB一は、改めて顧客リストを追うことを決め、どこかの一室で話し合いをしていました。
雪村京花が真犯人LLに襲われた可能性や、これまでの手がかりを真明寺麗に説明している時、入口のドアから拳銃を持った人間が現れます。
その正体は、桃井薫刑事でした。
桃井は銃を向けたままB一に迫りますが、「さっきの話(真明寺麗に伝えていたこれまでの手がかり)は本当か?」と言い、銃を下ろし、15年前の捜査の全てを話しはじめます。
当時、八野衣真が焼身自殺した現場から真以外のDNAが検出されたにも関わらず、警察は調べなかったのです。
桃井は「もし冤罪だったら」と訴えましたが、上司の猿渡敬三は「もう終わったことだ」と取り合いませんでした。
あの事件に違和感を感じていた桃井は、「真犯人がいるなら3日以内に証明しろ」とB一に伝えます。
こうしてB一は、真明寺麗と一緒に八野衣真の自殺を洗い直すことにしたのでした。
桃井の話を参考に、B一は八野衣真の自殺に関わる現場に赴き、真明寺麗は当時通報した人の元へ向かいます。
桃井はB一たちに「顧客リストを隠蔽するため、八野衣真を犯人にする策略に警察内部の人間が関与した可能性がある」と伝えており、警察内部からの捜査では気づかれるとしB一に外側からの調査を依頼したのです。
桃井と猿渡【現在】
猿渡は離婚した妻との一人娘に会いに、カフェへ。
しかしそこにいたのは愛する娘ではなく、桃井でした。
桃井は猿渡の娘に「お父さんは来れなくなった」と嘘を伝えて帰ってもらい、自身は猿渡を待ち伏せしていたのです。
二人は車に乗ってどこかへ向かいます。
「二人で車に乗るとあの頃を思い出す」
猿渡は、桃井が新任してきた頃を回想します。
自信満々でじゃじゃ馬のようにアグレッシブな当時の桃井。
先輩と後輩という関係性で、二人は信頼を深めていきます。
時に行き過ぎたスタンドプレーが警察内部から問題視されていましたが、猿渡は桃井に「俺が全てケツを拭くから好きにやれ」と伝えます。
思い出にふけっていると、車はとある森の中へと到着。
するとそこにB一が現れ、「お前が八野衣真を殺した犯人だな」と猿渡に詰め寄ります。
当時「八野衣真を見かけた」という通報が本部に届くのが遅れてしまい、警察本部がそのことを知ったのは真が自殺した後だったことを。
なんと、本部への情報伝達を意図的に遅らせたのは、猿渡でした。
猿渡は愛する桃井がLLに脅迫されていることを知り、警察が到着する前に単独で八野衣真と対峙して証拠もろとも焼き尽くしたのです。
そして、桃井も猿渡に加担しており、B一は見事に罠にハマってしまっていたのです。
B一と近くに潜んでいた真明寺が桃井と猿渡と対峙しますが、桃井は崖から飛び降りて自殺、猿渡は拳銃を口内に発射して自殺するという結末を迎え、この場は収束します。
B一VS柏木
桃井と猿渡が死んだ今、LLの正体を突き止めるには、雪村京花の11月14日〜18日(B一ではなくエイジの時間)の行動を追うしかなくなりました。
B一は京花が11月15日に義父から車を借りて、T県北市に行ったことを知りました。B一は柏木に車を運転させて、T県北市へ向かいます。
しかし途中で柏木が協力を拒否し、B一は拳銃を向けます。柏木は「その引き金を引いたらお前もLLと同じだ」と叫び、B一はその場を立ち去りました。
「復讐こそが正義」だったはずのB一だったはずなのに、あっさり柏木を逃がしてしまいます。B一の中に復讐への迷いが出ています。
京花が再び襲われる
12月7日、入院中の雪村京花がまた襲われました。
犯人は、浦島乙。エイジを迎え入れてくれた浦島家の長女です。
しかし、15年前にまだ幼かった乙がLLのわけがなく、犯行の動機はB一への個人的な恨みでした。
かつてB一が自分の正体に気づいた幼少期の乙を心理的に追い詰め、その結果、乙は10年以上も引きこもってしまうことに…。
そんな乙は復習のため、エイジの大切な人=京花をメッタ刺しにすることで復讐を果たそうとしたのです。
B一が義父・亀一に会いに行く
またふりだしに戻ったB一は、浦島家へ。
義父・亀一に「謝らなきゃいけないことがある」と切り出すのでした…。
『親愛なる僕へ殺意をこめて』5~9巻(38話から79話)の重要ポイント
『親愛なる僕へ殺意を込めて』5〜9巻(38話から79話)の重要ポイントを解説します。
中編はエイジのもう一つの人格・B一が初登場し、京花を刺した犯人が判明するなど怒涛の展開でしたね!
遂にB一が登場
エイジのもう一つの人格・B一が、5巻(38話)で初登場。
B一の目的は、父・真の冤罪を晴らし、真犯人に復讐すること。
そのためだけに生きてきただけあって、エイジとは全く顔つきが違い、不健康そうな青ざめた不気味な表情をしています。
B一が葉子に『SKALL』を探らせた理由は?
B一が葉子に『SKALL』を探らせた理由は、LLと『SKALL』の関係を知るためです。
15年前にLLが殺したのは、八野衣真が経営するデートクラブ「ホワイトラビット」の売春婦5人でした。
半グレ集団『SKALL』もデートクラブ「アリス」を運営して売春婦を斡旋しており、以下の3点で八野衣真のやり口をマネしているかのようでした。
①どちらも売春クラブを経営 | ・八野衣真:「ホワイトラビット」 ・『SKALL』:「アリス」 |
②どちらも不思議のアリス関連の名前 | ・八野衣真:ホワイトラビットは『不思議の国のアリス』のキャラクター ・『SKALL』:アリスは『不思議の国のアリス』の登場人物 |
③どちらも「また殺す LL」のメッセージ | ・LLが最後に残したメッセージが「また殺す LL」 ・『SKALL』のメンバーの入れ墨も英語で同じ意味のメッセージ「I Shall KILL Again」が掘られている |
B一は「LLと『SKALL』は顧客リストでつながっているのかもしれない」と思い、葉子に内部調査させていたのです。
京花とB一の目的
B一は、エイジの監視役をさせるために京花と付き合うことにします。
京花の役割は、B一が眠っている間のできごとをまとめてスマホに送ること。
B一と京花の共通の目的は、不要になった浦島エイジを消すことでした。
京花の真の目的
京花の目的は、エイジとB一の人格統合。
LLを絶対的な神と崇拝する京花にとって、他に真犯人がいると思っているB一も、LLのことをネガティブに考えているエイジもダメダメ。
京花はエイジとB一を統合することで、LLの息子であることに誇りを持つ人格にしたかったのでした。
しかし、本心では、両親に愛されなかったせいで絶対的な愛情を求めていたのでした。
桃井刑事はLLに脅されていた
実は同性愛者の桃井は、15年前に八野衣真の店の売春婦と関係を持った現場を写真に撮られ、LLから捜査情報を流すように脅迫されました。
桃井は「すべてを上層部に話す」と決意しますが、桃井を愛する猿渡が止めたのです。
猿渡は上層部への情報をシャットアウトして単独で八野衣真に会い、桃井の写真ごと焼き尽くしてしまおうと小屋に火を放ったのでした。
数年後、桃井は顧客リストに名前が載っていることをネタに花坂(真の相棒)から脅されました。
同性愛者であることを秘密にしたかった桃井は、花坂を殺害したのです。
京花を刺した犯人は浦島乙
京花をメッタ刺しにした犯人は、B一の義姉・浦島乙。
乙は幼少期にB一の恐ろしさに気が付きましたが、B一から「このことを話すなら、お前の両親を殺す」と脅されました。
恐怖にがんじがらめになった乙は引きこもり、B一に復讐する機会を狙っていたのです。
そして雪村京香が浦島家に遊びに来た日、京香の殺害を決意。京花がエイジの人格を殺した後、後ろから京花をメッタ刺しにしました。
まとめ
今回は『親愛なる僕へ殺意をこめて』5〜9巻(38話から79話)のストーリーを中編としてネタバレしました。
まさか京花を殺した犯人が浦島乙だったとは、驚きの事実でしたね。
LLにたどり着けず復讐が虚しくなったB一ですが、後編ではまた大きな事実が判明します。
物語はいよいよクライマックス!続きが気になりますね!
9~11巻(完結)の解説・考察記事も、併せて読んでみてください。